ジュエリーコーディネーター資格の更新講習会に参加した。今回のメインテーマは、『宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法に関する規定』でした。とっても解りにくいんですが(笑)
ようするに、鑑別書に明記するための「天然石」の定義です。宝石の世界でも情報開示の潮流があり、鑑別結果には個別の「鉱物名と宝石名と開示コメント」を明確にしてゆく方式に改定されています。
「天然石」と聞くと、たとえば山から掘ってきたままの石、海から採ってきたばかりの真珠を想像してしまいますが。いかがでしょう?言葉からのイメージはそうであっても、宝石店にそのままそれが並ぶわけではありませんので、当然人的な加工は当たり前ということになります。もともとダイヤモンドはあのように光っていなかった・・・ことは誰でも知っているわけです。
実際は、天然宝石とは「カット、研磨以外の人的手段が加えられていないもの、および生成後に色、外観の処理がなされたものが含まれる」とあります。つまりキレイに見せるために施してある諸々の処理(エンハンスメント)は、鑑別書でそれぞれ開示されていればOKということです。もちろん許容範囲もありますし、通常の処理以上の何かがみつかれば「明確な確証を得るためにはより高度な分析を要します」というコメントが追加されます。
あこや真珠の加温、漂白、調色も真珠特有の加工(エンハンスメント)として認められていますが、トリートメントは注意が必要です。もちろん「コーティングされています、染色が認められます」というコメントが入ったとしても、お客様にお伝えして納得頂いていればOKということになりますが。コバルト照射でブルーにしたり、本来の真珠の良さを活かしていない強烈な色に染色しているものは許容できないものもあります。
それにしても、カットも研磨もされず、海から採れて洗ってちょっと磨いただけであれだけの光沢と彩りのあるマラマって本当に「天然の真珠」なのだなぁ~~~と、つくづく感心した次第でした(*^_^*)
photo(C) Yuko Iida